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メディアを使っていかに表現するか(2)― プレゼンテーション ―」 東京工業大学教授 赤堀侃司
 
目次を作る
 
   下の写真をご覧いただきたい。これは、私のパソコン画面上のブラウザの目次ページである。インターネットで検索して気に入ったサイトなどがあったりすると、文字通りお気に入りやブックマークを付けて、目次を整理している。「なんだ、そんなことか」と言われるかもしれないが、この目次を作るという簡単なことが、大切な活動だと思っている。
 まず第1に、このような作業は日常的だということである。「このサイトやこの教材は、この単元で使える」という感覚は、教材開発と同じである。私も、日頃から気が付くと、ブックマークを付けてリンクを貼っている。例えば、アメリカの指導案を集めた、AskEricというサイトがあったので、これを教育学部の集中講義の時に紹介したら、きわめて好評であった。その大学の教育学部の学生は、指導案を作ってWebのページにアップするという課題があって、学生達が相談していた。しかし学生仲間の発想は似ていて、なかなか新しいアイデアが出てこなかったので、私が紹介したアメリカの指導案は、学生達の注目を集めた。アメリカの指導案はどんな内容だろうという好奇心と同時に、実際に読むと新鮮なアイデアであふれていて、学生達は驚嘆の声をあげていた。
 このように、日常的に気が付いたときにリンクを貼るという活動が、やりやすい。それを写真のように目次にしたがって整理すれば、1年も経てば、豊富な教材集ができあがる。毎年同じ教材やプレゼンテーションではつまらない。新しい新鮮な素材や教材が不可欠であり、そのために、このような目次を作って整理するとよい。
   
写真1 写真1-拡大
写真1 写真1-拡大
 
  e-ラーニングの教材
 第2は、このような目次の中から、プレゼンテーションをするときにいくつか選んで、発表順に並べ替えれば、それで発表ができるという長所である。それをソフトウェアとして実現したものが、プレゼンテーションソフトになるが、そのプレゼンテーションにもいくつかの発展がある。e-ラーニングは、現在きわめて注目されている学習システムであるが、わかってきたことは、教材をWeb上にアップしただけでは、飽きてしまうという単純な事実であった。それはそうであろう。テキストが、Webになっただけで、紙の代わりに画面で読むということにすぎないからである。どうすれば飽きないで、学習を継続できるかが、最大の課題になった。それは、どうすれば生徒に訴えるようなプレゼンテーションができるかと、同じ問いである。教室での教師の説明も、ただ漫然と話しているだけでは、飽きてしまう。そこに映像があれば、生徒を引きつけることができる。
 そこで、実際の授業風景をビデオで撮影して、これをWebにアップし、その時に用いた教材と、目次を時間的に並べて表示するというe-ラーニングの教材が注目されるようになった。写真は、私の事例である。左上が講演の様子の映像であり、左下が、トピックスを講演の時間順に並べた目次であり、右がその時のプレゼンテーションの教材である。このシステムでは、映像、目次、教材が、お互いにリンクして、目次のトピックスをクリックすれば、その内容に合った映像と、その時に用いた教材が提示されるという仕組みである。
 
 
写真2
 
  予習復習への発展
 
   このようなe-ラーニングやWeb上にアップした教材は、実際にはどのように活用されるのであろうか。ある大学では、授業の予習復習に使っている。授業に出ても、なかなか授業時間内では理解できないことも多い。そこで、授業中の講義風景をビデオ録画し、授業の終了後なるべく短い時間内で、写真のように、Web上で授業風景が再現できるようにする。すると、自宅からでも、Webにアクセスすれば、いつでも復習ができる。映像であるから、その時の臨場感が伝わってくる。試験も間近となれば、もう一度見ることができる。次年度には、予習する教材にもなりうる。このようなシステムが注目されているが、それには、学生達に予習復習するという動機付けが前提になる。ちなみに、この大学は、医学系であった。学習への興味や関心の問題は、やはり重要な課題である。
 
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