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公開授業・東原中学校

研究活動の温かさが伝わる発表会

東京都練馬区立八坂中学校長 高畠勇二

「興味・関心を高める指導法の研究 ~デジタル環境下における放送教材の利用~」を研究テーマとしてこれまで東原中学校が行ってきた実践報告がありました。
まず、門を通ると受付では保護者の方々が温かく迎えてくれました。全体会の会場に向かう途中では、生徒たちが当日の秋の空のようなさわやかな挨拶で迎えてくれました。報告が始まる前から、学校全体の持つ温かな雰囲気を感じました。そして、この印象は、公開授業が行われたどの教室の中でも感じることができました。
まず、開会行事として、石川信雄教頭先生の司会で、全国放送教育研究会ブロック担当部長の小川一夫先生、会場校である東原中学校の平井正紘校長先生、指導講師である東北学院大学の稲垣忠先生の挨拶がありました。
次に、各教室に分かれて公開授業が行われました。
コンピュータ室と教室での英語の授業 理科の授業
実物の食品を導入に使いながら、体と栄養の密接な関係をよりわかりやすくするために放送番組を視聴した家庭科の学習。文法的な解説が複雑で難しい関係代名詞を、わかりやすくするために一時停止をさせながら番組映像を駆使した英語の学習。太陽系のスケールを理解させるために1/1000の縮尺で直線64mの廊下を使って体感させ、放送番組を使って思考を拡大していく理科の学習など。各学年3クラスのすべての学級で行われた公開授業では、各教室で工夫を凝らした授業が行われていました。
その後、再び体育館のそれぞれのコーナーに集まり、社会、理科、保健体育、技術・家庭、英語、特別活動の6つの分科会に分かれて、教科別交流会が行われました。

分科会に分かれての討議
各教科の交流会の中では、授業者が研究授業について振り返るとともに、これまでの研究で得た事柄についての報告がありました。また、ポストイットを駆使して話し合いに参加するワークショップ形式の意見交流では、参加された先生方ばかりではなく、NHKの番組制作者も加わり、ご自分の経験を踏まえながら、各地域の放送教育の現状や学習指導に対する考え方、課題、研究活動の方向性などについて話し合いを深めることができました。交流会として設定されていた45分間も、あっという間に過ぎてしまいました。
交流会終了後は、再び全体会となり、まず、各交流会の報告がありました。
その後、会場校である東原中学校の横井先生と香取先生から、学校としての研究成果の報告がありました。研究を、「さがす」「ためる」「つかう」の3つの部分に大きく分け、学校全体がひとつになって研究に取り組んだ様子が報告されました。その中で、東原中学校の研究活動を支えたものは、それぞれの先生方が取り組まれた研究の中にある手作りの温かさではないかと感じました。
例えば、各教室でどこでも放送番組を視聴することができるよう整備された機器では、自作のラックに必要機器を設置した移動台が使われていました。また、必要に迫られて放送番組を準備し始めたところ、現在では700タイトルを超えるデジタル化された自作ライブラリーの構築へと発展していきました。研究活動全体に先生方の温かさが伝わる報告会でした。

自作移動台

自作ライブラリー

全体会(体育館)
最後に、指導講師である東北学院大学の稲垣先生から、あらゆる教科・領域においてデジタル化された放送番組を学習指導に活用した東原中学校の研究について、学校としての取り組んだ姿勢やその工夫、研究実践の意義と目的、今後の方向性などについてのまとめが行われました。その中で、特に、放送番組にこめられた制作意図と授業者である教師の学習のねらい、この両者のせめぎあいの中で生徒の興味や関心をより高める指導法の研究が進められることの大切さを再認識しました。
全体を通して、東原中学校の研究実践が、手作りの温かさの中に、今後のデジタル環境下における放送番組の利用に関わる方向性を示していたと実感した報告会でした。


実践研究交流会

デジタル環境下における放送教材の活用

東京都杉並区立東原中学校教諭 香取武雄

(1)研究の内容
「さがす」「ためる」「つかう」
今回の研究は、大きく3つの部分に分けて考えることができる。それぞれの言葉が、今回の研究の合言葉となった。すなわち、「さがす」「ためる」「つかう」である。
「さがす」とは、教師がどのような放送番組をさがすかということをあらわしている。NHKや民放の番組、またVHF、UHF、BS、CS放送等を含めておのおのの教師が常日頃から、教育で使えそうな番組を見つけることから始めた。NHKの教育番組についても、研究の初めのころは、どのような番組があるのかさえ知らない状態であった。普段よく見ている番組でも、改めて「教育に使う」「教科や道徳に使う」という観点で見ると、授業で使えそうな番組は多数あることがわかった。

番組のタイトル画面をCDの面へ
印刷すると利用しやすい

CDの保管場所。現在700タイトルが
保管され、いつでも見ることができる

「100語でスタート英会話」を
利用した英語の授業

「ためる」とは、授業で使えそうな番組を録画することをあらわしている。本研究では、ビデオレコーダーとしてDVDビデオレコーダーとコンピュータによるビデオキャプチャーを中心に録画した。DVDビデオレコーダーもコンピュータによるビデオキャプチャーも、インターネットを利用した電子番組表(iEPG)が利用できるため、今までとは格段の操作性が実現した。

道徳番組を視聴後、班で
それぞれ話し合う(1年)

授業別交流会での話し合い
「つかう」とは、実際の授業で使用することをあらわしている。本研究では、DVDやVCDに記録した放送番組を、DVDプレーヤーの操作性を生かしてストップしたり、早送り等を授業に活用する方法を研究した。さらに、デジタル化したデータの処理をコンピュータで行うことにより、さらに授業での使いやすさを研究した。

(2)研究のまとめ
デジタル環境下における教材の多様な使い方

放送番組をデジタル化し、コンピュータ等とともに合わせて活用することによって、実にさまざまな活用法が生まれてきた。放送番組を必要な部分だけ見せる(部分視聴)ことが簡単にできることはもちろん、教師の授業の意図に合わせて画面をストップさせ作業をする。そして静止した画面に説明を加える。また一部分を拡大して注意を向けさせる。パワー・ポイントなど、他のソフトと組み合わせて説明の資料にしたり、生徒の調べ学習の発表の一部に使うなど、多くの効果的な活用方法が生まれた。

見せるだけの放送番組から教師の指導資料としての
放送番組利用へ

番組制作者の意図を反映し、充分に考えられた放送番組であるが、デジタル環境下で使用することによって、番組制作者の意図に、指導する教師の意図を十分に組み込むことができるようになった。著作権を充分に尊重しながら、効果的な授業を進めるうえでの活用方法が見えてきた。

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