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放送教育ネットワーク

ネットワーク通信


2012年11月27日(火)

生きる力を培う「放送学習」プロジェクト

―放送番組の活用による「探究型」学習への挑戦―

竹下 佳余(東京都千代田区立九段小学校)

10月15日(月)、生きる力を培う「放送学習」プロジェクトの授業研究会が行われた。授業者は、千葉市立小谷小学校 横山亮一教諭。4年生の総合的な学習「共に生きる町『おゆみ野』」による「探究型」学習の提案であった。普段生活している学校や地域をバリアフリーの視点で見直す調査から学習活動がスタートし、地域のさまざまな立場の人と共に生きていくために、自分にはなにができるかを考え、実践することが学習のねらいである。そして、主軸となる番組「げんばるマン」の活用において図のような「生きる力」を育むことを目指すプランである。

本時で活用した『車いすから見える世界』は、はんにゃの二人が車いすに乗って町に出かけ、さまざまなバリア=障害があることを実感する「行ってみる編」。活用の意図は、高齢者や視覚障害者の視点で調べてきた「町のバリアフリー」を、車いすをつかっている方々の視点でとらえ直すことにより、新たな問題意識を喚起し、バリアフリーに関する再調査につなげること。子どもたちが、番組の中に描かれた車いすでの生活とバリアフリーに関する情報をとらえ、今までの調査と結びつけながら、さらに考えを深めていくことを期待した。

図・番組「げんばるマン」と生きる力

学習の方向付け(総合的な学習の時間「げんばるマン」を視聴して活用する福祉・健康の授業)
げんばるマン

■本時の展開

  1. これまでの調査を振り返る。
    学級データベースから個々の調査結果を提示し、スロープ・点字ブロック・音の出る信号機等のよい点、問題点を確認し合う。
  2. 「げんばるマン」の視聴。
  3. 感じたことを交流し課題を見つける。
    • 段差がきつい。
    • 道がななめになっている。横断歩道のところはほとんどそうなっている。
    • 下り坂もきつい。止めるのに手が痛い。
    • 車いす用の大きなトイレ。小谷小学校の保健室の横にもある。
    • この町にも見落としていたことがまだある。
    • 心のバリアフリー
  4. おゆみ野の町の様子はどうなっているか、調べることをグループで設定する。

■今後の展開の工夫

  • ロンドンパラリンピックで活躍された花岡伸和選手との語らいの会を通して、車いすを必要とする方々の現状に直接ふれる。
  • 社会福祉協議会(視覚障害者)の方の話を聞く。
  • 「共に生きる町 おゆみ野」について自分の思い、考えをまとめ、ポスターセッションを行い、上級生、地域の方々、保護者に発信する。

■協議会より

講師:木原俊行先生(大阪教育大学教授)

探究の過程が繰り返される構成が、本プランに見られる。発展的な課題に移行する場面で番組を活用し、番組視聴により気付きは深まった。未知の課題の存在に気付かせることができるのが番組の力。

番組には、障害者用のトイレのように独自性の情報も含まれる。「目に見える問題・見えにくい問題」「学区にある問題・少ない問題」のように課題を整理し分析するために、また、内容を広げるだけでなく質的にも高い課題に移行させるために、教師の丁寧な働きかけが重要となる。

この記事は、日本視聴覚教育協会発行の月刊「視聴覚教育」11月号にも掲載されています。
日本視聴覚教育協会ホームページ(放送教育ネットワークのページを離れます)

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