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放送教育ネットワーク

ネットワーク通信


2014年05月10日(土)

放送教育の魅力

元全放連事務局長 守屋 貞紀

40年にわたる教職生活の中、いつもテレビ視聴やラジオ聴取を採り入れてきた私自身の動機が、いま放送教育を推進されている先生方の参考になればと、この機会に振り返ってみることにしました。

なぜ、私が放送教育を続けてこられたのか。

■思考の自由

昭和35年頃、私が小学校5年生の時に初めて教室で視聴したのがNHK学校放送番組「テレビの旅」でした。今となっては番組冒頭の東海道線の特急つばめ号が走ってくるシーンしか覚えていませんが、いつもワクワクしながら週1回のこの授業時間を待っていた記憶があります。テレビはたぶん14インチぐらいの白黒でしたが、その迫力は今の大型テレビに負けないほどだったと思います。クラスの50人ほどが楽しんで見ていました。実はその時、担任の先生はテレビをつけると職員室に行かれて休んでいたようです…。それも許された良き時代でした。

今考えれば、当時小学生だった私には、自由にテレビを視聴し、新しい情報を得ることが楽しかったのだと思います。埼玉県放送教育研究協議会で言うところの自由な意味場の形成、私の放送教育の根底にはこれがあるのです。

■学びの喜び

昭和47年に教職に就き、ほどなく社会科と理科のテレビ学習に取り組みました。もちろん、当時は児童とともに「生・丸ごと・継続」の形をとっていました。私が経験した放送学習による学びの喜び。それは、教師が番組に関して先入観を与えることなく視聴させたことで得られる、発見の喜びでした。私は、教師になってからも、埼玉で言うところのゼロ分スタートにより、新しい知識に触れられる楽しさ、わかったという喜びを児童とともに分かち合ってきました。

■先輩からの教え

・秋山亜輝男先生(前蕨市教育委員会教育長)の言葉

「放送は、いわゆる学習が苦手な子にこそ、より強く働きかける」

この言葉は、小学校時代の自分がそうであったし、また、実際に授業をしていて感じていることでもありました。放送学習は、クラス全員で同じ視聴経験をし、学習意欲の差に関わらず誰もが参加できる授業の構築ができることを、あらためて確認することができました。

・和田泰輔先生(元全国小学校放送教育研究会会長)の言葉

「同じ番組を見ていても、一人一人がそれぞれの経験・思考からさまざまな見方をしている」

これは、ある研究会で理科番組を例に出されてお話しされた時の言葉です。児童はひとつの映像場面でも多様な見方をしているのであり、教師には、どのような捉え方も大切にして本時の目標につなげていく力が必要である。幅広く児童の視聴反応を活かしながら授業を集約していくことが重要であると教わりました。

私にとって、このお二人からご指導いただいたことが放送教育実践の根幹となっています。

■幅広いつながり

一般に教員は比較的狭い社会の中で行動しているように思われます。しかし、放送教育の研究会活動をしていくと、同じ市区町村内の交流→都道府県内での交流→全国の方との交流、自分の所属する校種→他校種の先生方、大学等の研究者、制作者であるNHKの方々というように幅広い交流の場が得られていきます。これも放送教育の大きな魅力の一つでしょう。

振り返ってみると、こうしたことが、私が40年も放送教育を続けられた原動力になっていたと思います。最近でも「さんすう刑事ゼロ」や※「考えるカラス」など、子どもと共に楽しく取り組める魅力的な番組が放送されています。今後、これらの番組を活用した素晴らしい実践が報告されてくることを期待しています。

※この番組の魅力については、全放連発行「生きる力を培う放送学習プロジェクト実践報告書」(2014年4月発行)のコラムで紹介しています。

この記事は、日本視聴覚教育協会発行の月刊「視聴覚教育」5月号にも掲載されています。
日本視聴覚教育協会ホームページ(放送教育ネットワークのページを離れます)

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