ネットワーク通信

2016年9月28日(水)
平成28年度 合同大会に向けて ─全放連の取組─
全放連全国大会担当部長 田端 芳恵(港区立高輪台小学校 主幹教諭)
本年11月18日(金)、19日(土)の両日実施される、「第20回視聴覚教育総合全国大会 第67回放送教育研究会全国大会 合同大会」での、全国放送教育研究会連盟(以下全放連)の取組についてお知らせします。
本年度の全国大会は、昨年までの大会の成果と課題をもとに、「“アクティブ・ラーニング”を進める上でのICTの活用のツボ」を大会研究の柱に設定し、多くの実践を学ぶ場と参加者参加型のワークショップで構成されています。全放連はこうした趣旨に則り、下記に紹介するようなNHK for Schoolを主たるメディアとして活用した実践を大会1日目の「公開保育・公開授業」、大会2日目の「実践発表」の場で発表します。
さらに、放送番組を活用したICT教育などの可能性を2日目のワークショップ、全体会の場で参加者の皆様と共に明らかにしていきたいと考えています。視聴覚教育団体との合同開催というよさを活かして、ICT時代における放送教育の在り方とその先進性を探っていく大会となります。
全国各地から、多くの皆様にご参加いただき、多様な視点で研究を深めていただければ幸いです。
■【公開保育・公開授業】11月18日(金)午後
会場園・会場校名 |
板橋区立向台保育園 |
杉並区立高井戸第四小学校 |
杉並区立天沼小学校 |
杉並区立高円寺中学校 |
板橋区立中台中学校 |
上記の公開園・校でNHK for Schoolのコンテンツを活用した授業が公開されます。
各園・校の研究課題にそって、多様な活用の様子がご覧いただける予定です。詳しくは2次案内及びホームページをご参照ください。
■【ワークショップ】11月19日(土)午前
各部会、放送教育・視聴覚教育にご見識をもった講師の先生方にご指導をいただき、テーマに迫る協議を深めていきます。
保育現場におけるメディア活用の可能性 |
松山由美子(四天王寺大学短期大学部) |
タブレット端末による『ミミクリーズ』の視聴とフィールドワークなどの活動を通した保育方法について考え合います。 |
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メディア・リテラシーを育む授業づくり |
中橋 雄(武蔵大学) |
タブレット端末の有効活用も含め、伝えたい・調べたい・学びたい気持ちを大切にする授業について考えます。 |
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「深い学び」をつくるメディアの活用 |
稲垣 忠(東北学院大学) |
映像を交えたコミュニケーションツールとしてのタブレット端末の可能性について、グループでの活動を通して考えます。 |
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「調べる・まとめる・伝える」チカラを高める~NHK for Schoolを活用した授業づくり~ |
高橋 純(東京学芸大学) |
新番組とデジタルコンテンツを使うことで、子どもたちに「調べる・まとめる・伝える」スキルを高める方法をワークショップ形式で見出していきます。 |
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主体的・協働的な学びを考える |
堀田博史(園田学園女子大学) |
グループ1台のタブレット端末を活用した主体的・協働的な学びを考えます。当日は理科の模擬授業を通して体験的に学びます。 |
ワークショップでは、放送番組やタブレット端末を活用した学習のよさを多くの先生方に体験していただくと共に、基幹メディアとしての放送番組の先進的な教材性について、具体的且つ分かりやすく参加者の皆様にご理解いただくことを願っています。
昨年度に引き続き行う「ワークショップ」型の研究会です。機器等の手立てが十分でない面もありますが、参加される皆様のご期待に添えるワークショップになるよう準備を進めています。
■【実践発表】11月19日(土)午後
放送教育が抱える課題、教育に対する社会からの要請、現在の教育課題などを踏まえたテーマをもって、全国の優れた実践をもとに研究を深めます。
21本の実践発表からNHK for Schoolの活用を中心とした発表について以下に紹介します。
テーマ |
指導講師 |
動画教材をフル活用したアクティブ・ラーニング |
堀田博史(園田学園女子大学) |
○ 小5・家庭科 課題の解決方法を考えたり、考えた解決策を用いて実践したりする力を育成するための『カテイカ』を活用した協働学習 |
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タブレット端末を活用した「わかる・できる」授業 |
今野貴之(明星大学) |
○ 小6・理科 『ふしぎがいっぱい6年生』やクリップと実体験を組み合わせたグループでの問題解決学習 |
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情報と仲良く付き合う、正しく向き合う |
中橋 雄(武蔵大学) |
○ 中学・理科 『しまった!』を活用して理科の実験、観察の結果考察時の情報活用スキルを育成 |
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授業のユニバーサルデザインを考える~すべての子が楽しく学び合い『わかる・できる』授業をデザインする~ |
高橋 純(東京学芸大学) |
○ 小1・国語 読む楽しさを味わい、想像を広げて読む力や楽しんで読む態度を育成する『おはなしのくに』の活用 |
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「考える道徳」「いじめ防止」に向けて |
島田 希(大阪市立大学大学院) |
○ 小6・特別活動 実践的に考え行動しようとする心情を培う『いじめをノックアウト』の活用 |
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幼稚園・保育所、小学校低学年での効果的なメディア活用術~子どものイメージを広げ、情操を育てる~ |
松山由美子(四天王寺大学短期大学部) |
○ 年長 『ミミクリーズ』を活用し、身近な環境への興味・関心を高め思いや考えを楽しく伝え合う。 |
各テーマにおいて、放送番組の教材・学習材としての特性に留意しながら、番組を活用した学習活動のよさや活用の留意点などを具体的に明らかにできればと考えています。さらに、放送教育、視聴覚教育、ICT教育などの多様な視点からテーマを深める話し合いができることを期待しています。こうした交流を通して、それぞれの教育理念や教育方法等についての理解が一層深まることを願っています。
実践発表は発表ごとに移動が可能です。ご自身の課題や興味・関心に合わせてご参加ください。
■【全体会】11月19日(土)午後
○開会行事
○NHKプレゼンテーション
タブレット端末の普及、授業のアクティブ・ラーニング化の中、NHK for Schoolはどんなサイトへと深化していくのか、最新動向とこれからの方針について、プレゼンテーションします。
○大会について(講師講評)
本大会の指導講師である堀田博史先生(園田学園女子大学)にご登壇いただき、今大会の意義、大会の成果と課題、その後行われる実践発表のみどころ、放送教育の今後の方向性などご示唆いただきます。
実りある全国大会の実現に向けて、全放連、視聴覚教育団体が一体となって準備を進めています。全国各地からご参加いただけることを願っています。
なお、詳しい大会の情報は9月にお配りする「大会2次案内」もしくは「大会ホームページ」をご覧いただければ幸いです。
この記事は、日本視聴覚教育協会発行の月刊「視聴覚教育」9月号にも掲載されています。
日本視聴覚教育協会ホームページ(放送教育ネットワークのページを離れます)

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