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放送教育ネットワーク

ネットワーク通信


2017年9月7日(木)

放送番組にロマンと輝きを求めて

前北海道地方放送教育研究協議会 事務局長 鐘ヶ江 義道

■放送教育との出会い

放送教育の実践は、初任校として勤務した士別市立士別南小学校が、北海道小・中学校放送教育研究大会の会場校に決定したときから始まります。
 昭和55年に、月刊「放送教育」誌(財団法人日本放送教育協会発行)の依頼で実践研究に取り組み、「子どもの証言-放送に学ぶ『書きくけこくご』の利用」の報告をまとめました。4月からの継続視聴が、子どもが変容するきっかけとなり、その後の作文指導の大きな柱となりました。
 昭和56年には、第33回北海道小・中学校放送教育研究大会において、小学校5年生の算数「数の世界『わり算と分数』」の授業を公開しました。教科学習と放送学習の関連を「併行関連型」とおさえ「生、丸ごと、継続」の視聴三原則を踏まえた実践を行いました。番組の視聴から生じる疑問や探究意欲をエネルギーとして、子どもたちが自主的にはじめる「発展学習」の充実に努めました。

 
■子どもたちとともに

新採の3年を終え、富良野の中心より東20㎞ 海抜345mに位置したへき地2級地の小規模・併置校の富良野市立布礼別小学校に異動しました。
 6年生の子どもたちと「くらしの歴史」を継続視聴しました。子どもたちは、視聴後に「もっとくわしく調べたい」という意欲をもち、調べた内容を毎回テレビ新聞「A WEEKLY HISTORY」にまとめ、その時代を振り返りました。また、冬季休業中には、「昔の開拓者の苦労を知ろう」というテーマのもと、徒歩で富良野市内を往復という企画をもちました。児童10名と保護者9名が小雪の降る中、8時に学校を出発し11時50分に富良野市内でラーメンを食べ、17時過ぎに到着しました。36㎞を完歩できた者は6名でしたが、布礼別を開拓した先人の偉大さを実感しました。
 平成元年に、富良野市立東小学校に異動となりました。富良野市は、昭和63年からごみ資源のリサイクル化を目指し、ごみの6種分別収集(現在は14種分別)を進めていました。また、東小学校は、平成3年に環境教育モデル校として北海道知事指定を受け実践を積み上げていました。
 4年生の子どもたちと「くらし発見」を視聴後、「くらしのなかの水とごみ」の学習を行いました。富良野市の協力を得て、家庭から出された固形燃料ごみ92.5㎏の再分類と分析を行い、資源リサイクルのしくみと分別の大切さについて学びました。6年生では「いのち輝け地球」の視聴後、気温・気圧と降雨のpH値を測定し、酸性雨についての学習を深めました。
 平成7年に、鷹栖町立北野小学校に異動となりました。4年生の子どもたちと「はてなをさがそう」を視聴後、「通学途中にいつも見ている石狩川支流のオサラッペ川はきれいなのか調べてみたい」という意欲をもち、コンパクトpH計とパックテスト(COD)を使用し水質調査を行いました。
 平成10年には、6年生の総合的な学習の時間の学習テーマ「地球の心をつかみとろう」のもと「たったひとつの地球『カヌーからながめた川』」を視聴し、オサラッペ川クリーン作戦と水質調査の意義について話し合いました。学習後、オサラッペ川の水質調査と水生生物の観察(流速や透明度、アンモニウム体窒素・溶存酸素・水素イオン指数・化学的酸素要求量、水生生物と川魚の観察)を上流・中流・下流で行いました。オサラッペ川観察は現在も継続して調査・研究が行われています。

 
■幼小番組活用研究プロジェクト

平成28年には、幼稚園・小学校低学年での放送番組活用研究プロジェクトに関わり、園田学園女子大学の堀田博史教授の指導のもと、放送番組「ノージーのひらめき工房」や「しぜんとあそぼ」を活用した幼小連携の授業を実践しました。集中力や気付く力、そこから考えを深める力などの非認知的能力を主たる視点として、幼児期・児童期の番組視聴効果について実践を通して検証することができ、互いの学びの深化につながりました。

 
■放送教育への期待

複雑で予測困難な時代の中、子どもたちは、与えられた正解のない社会状況に対応し、変化を前向きに受け止め、感性を働かせ、社会や人生をより豊かなものにしていくことが期待されています。
 番組は、子どもたちの知的好奇心を揺さぶり、学習意欲を喚起することができ、「主体的な学び」へと誘うことができます。また、番組視聴から「対話的な学び」を通して、ものの見方・考え方を広げ・深めることができます。さらには、気付きの質を高め、探究心を醸成することにより「深い学び」へと展開することができます。放送教育は長年にわたり感性や思考の流れを大切にした授業実践を行ってきました。放送教育は、今後も不易と流行を見極め、新学習指導要領の趣旨を踏まえた授業改善ができると確信しております。

 

この記事は、日本視聴覚教育協会発行の月刊「視聴覚教育」8月号にも掲載されています。
日本視聴覚教育協会ホームページ(このサイトを離れます。)

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