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放送教育ネットワーク

ネットワーク通信


2017年6月9日(金)

放送教育は魅力がいっぱい!!

全放連講師 鶴田 裕子(さいたま市立仲町小学校教諭)

■担任はやっぱり楽しい!!

今年度は1年生の担任をしています。定年退職して3年目の春、桜の満開の中での入学式はやっぱり心がときめきました。子どもたちとの出会いにドキドキする気持ちは、40年間変わりません。早速、入学5日目の子どもたちと「ざわざわ森のがんこちゃん」を視聴しました。視聴後すぐ「なんでもいいから、思ったことを言ってください。どうぞ」と聞いてみるとすぐに自分が思ったことを発表してくれました。その発言の実に楽しいこと!!まだ顔と名前が一致していませんし、人間関係も成り立っていない状況ですが、教室でテレビ視聴すると、即座に子どもたちと教師が共感し、分かち合うことができるのです。この視聴体験は、校庭で子どもたちと遊んだ時の感覚に似ています。テレビ視聴後の教室の一体感は、放送教育のよさであり、担任冥利とも言えます。

 
■一流の子どもたち!!

20年くらい前にNHKの番組の撮影が私の学級で行われた時のことです。「先生は分からないかもしれないが、この子どもたちがテレビを見る眼は本物だよ。俺はNHKで色々な人を撮影してきた。一流と言われてきた人たちもたくさん撮影したが、この子どもたちは一流だよ」とカメラマンに真剣な表情で言われた時は驚きました。嬉しい反面、自分自身も一流の担任にならなくてはと反省したことを覚えています。継続視聴すると、子どもたちをいつの間にか一流にすることができることも放送教育の魅力です。

 
■子どものよさを学んだ!!

「おはなしのくに」という読み聞かせの番組があります。この番組に出会ったことで私の教員人生が変わりました。当時2年生でマイペース過ぎて毎日のように注意される男の子の担任をしていました。ある日、「おはなしのくに」の『泣いた赤おに』を視聴していると、なんとその男の子が泣いているのです。その涙を見たときに、はっとさせられました。「なんて純粋で感性豊かな心をもっているのだろう。表面的なことばかり注意していて、この子の本当のよさに気付かなかった。私は15分でこの子を泣かせることはできない。テレビに参りました」と思ったことが、放送教育を学ぶきっかけになりました。国語や算数の教科学習では分からない子どもたちのよさを引き出すことができることも放送教育の魅力です。

 
■今の自分でいいんだよ!!

「みんな生きている」という生命について考える番組がありました。5年生を担任していた時です。自殺した友だちを考えるテーマの番組を視聴していた時に突然、男の子が泣き出したのです。「僕も自殺を考えていた」と。母親との関係で悩んでいたそうです。いつも明るく、笑顔で生活していたので、学級の子どもたちも私も本当に驚きました。男の子と一緒に学級中が大声で泣いた忘れられない授業になりました。また、4年生を担任した時も、女の子が小さい時に死んだ弟のことを思い出して泣いたことがありました。番組は子どもたちの内面にあるものを表出させるようです。子どもたちにもそれぞれの人生があることを番組が教えてくれました。「今のままでいい」「今の自分を大切にしてほしい」というメッセージが子どもたちの心に浸透し、考えさせられる番組でした。自分自身について改めてじっくりと考え、心を潤すことができることも放送教育の魅力です。

 
■自分らしく表現する!!

放送番組を活用してもっとも大事にしていることは、視聴後の一人一人の思いを大切にして、すべてを受け止め、認めることです。「おはなしのくに」の番組では視聴後に好きな表現に取り組みました。物語からイメージをもったことを4年生の男の子は4コマ漫画にこだわって描いていたり、2年生の女の子が話の続きを考えたりして、番組から感じたことを自分らしく表現して楽しんでいました。その他にも「絵」「絵本」「素敵な言葉」「ペープサート」「紙芝居」「歌」などの好きな方法を選んで表現しました。このスタイルは放送教育を始めた時と変わらず同じです。自分らしい面白さを見つけ、好きな方法で表現し、話し合ったり、発表したりすることは楽しいようです。さらに学級全体で学びを深め、学ぶ喜びを生む時間にもなります。これも放送教育の魅力です。

 
■心に働きかける教育!!

初めて出会う中学生や大人を対象に「カラフル!」の番組を活用したことがあります。番組視聴後に子ども時代のことを思い出して泣き出した大人もいました。年齢に関係なく放送教育は心に働きかける教育だと痛感させられました。だから、奥が深いのです。実践すればするほどはまってしまいます。壁にもぶつかります。悩みます。でも、魅力が多く、なかなかやめることはできません。年齢ばかり重ねている私ですが、今後、ラジオを活用した授業や構造的な板書づくりにも挑戦したいと考えています。これからも素敵な子どもたちとの出会いを楽しみに奮闘していきます!!

 
 

この記事は、日本視聴覚教育協会発行の月刊「視聴覚教育」6月号にも掲載されています。
日本視聴覚教育協会ホームページ(このサイトを離れます。)

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